値段は自分の思いを入れた方がいいんだ。
と、この猫を見て思ったのです。
張りぼてじゃなくて、素焼きで作って、色を付けてます。
この目、この顔
いいですね。
なんとも言えぬ表情です。
この足の良いこと。良い感じです。
私は自分で、これをいくらで買うだろうか。と思った。
聞いたら、私が思っていた値段の4倍だった。
聞いてから思ったけど、この作者の思いが入っている。
これだけ、私はこの子に力を入れている、って事を痛烈に感じました。
オーダーメードでも作ってくれるという。
で、いくらかと聞いたら、私が思っていた値段とほぼ同じだった。
最初からの質問を次に来た人に聞いたら、
いくらで買うかは、最初に言ったのが、定価の1/10の値段でした。
そして、オーダーメードの値段も、私の思った金額の半分でした。
作品はそれぞれの思いがあるし、値段はあってないものかもしれない。
だからこそ、自分の言い値を付けていいのかもしれない。
で、タイトルの話になるのだが
この猫を見て、オーダーをした物が出来上がって来て、お渡しするところに居合わせました。
すると、ちょっと不満の様子。
写真の通りになってない。
100歳の猫の特徴のエプロンがほとんど出ていない。と言うのです。
なんとなく、クレーム的に聞こえていました。
猫は年を取ると、身体が硬くなるのか、胸のところの毛繕いが出来なくて、どんどんとたまって来て、エプロンをしているような感じになるそうです。
そこが出ていない、と言うのです。
で、受け取ってもらえないのかと思って、その様子を高見していたのですが、
いえいえ、ありがとうございます。いただきます。と箱にしまわれました。
聞けば、先ほど私が聞いた値段から、随分と値切ったそうです。
そこかぁ、と私は思いました。
写真を見せてもらった時に、そのエプロンの部分を表現するのが難しかったのかと思ったのですが、私が思うに、値引かれている。
そこにテンションが下がる。要因があるのかと。
代金をいただく以上は、ちゃんと作りタイ。
自分の納得の行くものを作りタイ。作って渡したい。
でも、作る前から値引かれるというのは、どういうことだろう。
もし、言い値で受けていれば、値段以上の仕事をしてくれたのではないだろうか。
それは、私だけの思いなのか。
一応、私も技術者の端くれにいます。
研ぐ前から、研ぎ代金を値切る方がたまにいらっしゃいます。
研ぎの値段は、私の技術だと思っています。
その値段に匹敵する研ぎをしようとしてるし、しているつもりです。
だから、強引に値切られた場合は、それなりの研ぎに無意識になってしまします。
切れ味の悪い包丁での納品はしないけど、やっぱり、なんとなくねぇ。
そんなのは私だけかな。
それは、技術者の端くれとしては、まずい行為なのかなぁ。
でもね、私の値段はあるのです。
作者に聞いた訳じゃないので、事実はわかりません。
値切った上に出来が思い通りでない。っていうのは、私的にはおかしいと思うのだけど、それが普通なんだろうか。
私は、これから作る物については、値切ってはならないと思う。
元々、値切って買う習慣はないのですが、研ぎ屋になってからは、オーダーについては値切らなくなりました。
いい物を作って欲しいですからね。
本当に、なんとも言えぬ猫の表情に惚れたので余計にそう思うのかなぁ。
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